キャスト

 京都出身の秋田汐梨が、主人公の新人女性運転士・保津川美南を好演。三島ゆり子、渋谷哲平など、錚々たるベテラン俳優が、個性豊かな脇役を熱演。京都・カルシウムハウスの梶子ママ扮する上司も見どころ。癖のあるキャラクター達が映像の中で暴れ出す。

 物語では、実存する路線やバス停、地名や施設が登場し、登場人物の名前にも使用されている。主人公、保津川美南は停留所「保津川団地南」。リアリティと親しみやすさを心掛けた。

主演 秋田汐梨

2003年生まれ、京都府出身。2015年にティーン雑誌のモデルでデビュー。その後、2017年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、映画「リゾートバイト」、「おしょりん」、「映画刀剣乱舞-黎明-」(全て23年)、ドラマNetflixシリーズ「恋愛バトルロワイヤル」(24年8/29~全世界配信スタート)、ドラマDEEP「3年C組は不倫しています。」(NTV系/24年10月スタート)、連続ドラマW「事件」(WOWOW/23年)、「彼女、お借りします」(ABC系/22年)、舞台KAATプロデュース「SHELL」(23年)、パルコ・プロデュース「幽霊はここにいる」(22年)などがある。雑誌Seventeenの専属モデルとしても活躍中。

メッセージ

京都は私の出身地でもあり、地元が舞台の作品に携わることができてとても嬉しいです。バス通学をしていた時、狭路の運転などに感心していたが、撮影で運転席に座り、景色の違いやミラーの多さに驚きました。運転士さんの技術と気遣いのおかげで私たちが安心して利用できていたんだと感じました。「運転士になる!」という目標に向かって頑張る、真っ直ぐな美南の姿を見届けていただけると嬉しいです


保津川美南(ほづがわ みなみ)役

乗り物酔いをするので、バスは元々好きではなかった。沓掛との出逢いによりバスに興味を持ち「日本一のバス運転士」を目指すことに。慌てがちで失敗も多いが、落ち着いてやれば何でも出来る。実はかなり優秀で日本一のバス運転士になれる素質がある。京都府亀岡市で生まれ育つ。小学生の一時期、母親が入院していたので大阪府能勢町の祖母の家に預けられていた。父親の仕事の関係で広島に引っ越し、大人になりバスの運転士になる為、亀岡に戻って来た。名前の由来は亀岡市にある団地内のバス停「保津川団地南」(亀岡市コミュニティバス)から。また映画には登場しないが母の名前は真江(まえ)、弟は喜太(きた)、共に名前の由来は、同じ団地内のバス停「保津川団地前」「保津川団地北」から。

三島ゆり子
鹿谷(ろくや まちこ)マチ子役

元バスガール。終点のバス停の傍に家があり、毎日のようにバスで病院に通っている。世話焼きで、おせっかいな面も。野菜を育てるのが趣味。名前の由来は、「鹿谷」というバス停(亀岡市ふるさとバス)から。

渋谷哲平
埴生智之(はぶ  ともゆき)役

亀岡営業所の所長。いつも美南のそそっかしさに頭を悩まされていてイライラしている。しかし実は愛情があり、美南の成長を心から願っている。名前の由来は、京都府南丹市にあるバス停「埴生」(京阪京都交通40系統など)から。

梶浦梶子
千代川ヒカル役

新人教育担当の教官。俗に言う「空車教習」という教習で、運転の基礎を教える。所長の座を狙っているという噂がある。人生経験豊富で面倒見の良い面があり、落ち込んでいる教習生を飲みに連れて行くことも。名前の由来は、亀岡市「千代川」町から。

黒川英二
湯野花男(ゆの はなお)役

営業所に配属になった新人を指導する「指導運転士」。指導を任されている時以外は普通にバスを運転している。
仮眠室に住み着いているのでは? と噂されるが、ちゃんと家には帰っているらしい。暇さえあれば仮眠室で寝ている。かなりのベテランで運転には絶対的な自信を持っている。名前の由来は、亀岡市の観光地「湯の花温泉」から。

川合智己
沓掛守(くつかけ まもる)役

優しそうな外見とは裏腹に周りをよく見ていて、1ミリ単位の絶妙な車体コントロールが出来る。その確かな腕から京都一のバス運転士と呼ばれる事に。「バス運転士」という職業に誇りを持っていて、日本一のバス運転士になりたいという美南に自分の持っている全てのものを伝えようとする。名前の由来は、京都市西京区大枝「沓掛」町から。

清井咲希
出雲朱音(いずも あかね)役

美南の幼馴染みで小学校時代の同級生。名前の由来は、バス停の「出雲」(亀岡市ふるさとバス)から。

佐渡山順久
篠(しの)役

亀岡営業所所属の助役。営業所に居てバスの運行等を管理する。名前の由来は、バス停の「篠」(京阪京都交通2系統など)から。

森下稜稀
穴王子彼理亜(あなおうじ がれりあ)役

謎が多い運転士。国籍不詳だが、バスの運転をしているという事は、日本国籍を持っているのだろう。神出鬼没で、どこにでも現れる。自分こそが真の日本人だと思っている。名前の由来は、亀岡市の地名や施設の、道の駅「ガレリアかめおか」、「穴太寺」、篠町「王子」から。

三木葉南
少女の保津川美南役

宮島實男
小林(こばやし)役

亀岡営業所所属の運転士。名前の由来は、バス停の「小林」(亀岡市ふるさとバス)から。

黒巌大五郎 


高芝(たかしば)役

亀岡営業所所属の運転士。名前の由来は、バス停の「高芝」(京阪京都交通40系統など)から。

三浦康彦
広田広道(ひろた ひろみち)役

バスのあるところ、どこにでも現れる。三度の飯よりバスが好き。いつも運転席の近くに居る。名前の由来は、「広田」と「広道」という2つのバス停(京阪京都交通34系統など)から。

その他キャスト/井上学 大田中秀一 杉本栄二 西山清孝 星野美恵子 伊藤宗代 岡村匡晃 妃月洋子(声) 

エキストラ/和泉成亮 廣橋孝也 中村悠造 明芝邦彦 巌弘美 中西一夫 宮本明彦 山口雅彦 山口朝子 森麻衣子 長嶺英貴 Samuel Mark Zeid  野寄聖統 小野旭陽 小野なぎさ 小野太楽 小野弥都生 中山穂高 中山沙織 木村猛 今井勇企 藤原優輔 小野祥太朗 八塚洋平 宮本泰浩 櫻井優子 関みち 片嶺健一 中西康博 太田正 石川晴敏 川西康司 渡辺翔  京阪京都交通本社の皆様 亀岡営業所の皆様(京都サンガF.C U-15の皆様→)阿部鷲矢 太田佳佑 大原馴生 大原万徳 岡本倖汰 澤井櫂 関航大 谷口雄太郎 藤堂優駕 中村涼大 西村一冴 樋口僚哉 前田樹流生 森岡幸栄 山下瑛大

 撮影スタッフは、京都で長年プロとして活躍するベテラン勢。

 鉄道とは異なりバスは公道を走るため、運転シーンの撮影が難しいこともあり、それがバスの映画が少ない理由の一因と言える。美南が運転席で操作するシーンの表現には、後部座席に運転席を設置するなど、工夫を凝らした。

 崖のきわを走ったり狭路ですれ違うシーン、峠の流水・倒木シーンでは、消防ポンプで川の水を汲み上げ、現場で枝を切り倒木を運んだり、崖の上までタンクで水を運んだり、その場で臨場感溢れる演出を実現。

 「霧の町」という亀岡市の特色を、「奇跡が起こる」という都市伝説に絡めて取り入れたために、神秘的な霧をどうやって表現するかが課題になった。CGではどうしてもリアリティにかけるので、スモークマシーンを用いて現場で霧を発生させた。霧の量や自然状況、俳優の演技とのタイミングが難しかった。

「つぎとまります」撮影風景

企画・原案/加宮充師

チーフプロデューサー/進藤盛延(映画・ドラマプロデューサー)
ホリデイ~江戸の休日~ (2023)、小吉の女房2 (2021)、佐武と市 捕物控 冬夏の章 (2016) 、大江戸捜査網2015 隠密同心、悪を斬る! (2015) 、佐武と市 捕物控 (2015)、球形の荒野 (2014) 、忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦! の段 (2013) 、臥竜の天~伊達政宗 独眼竜と呼ばれた男~ (2013) 、桜姫 (2012)、逃亡者( のがれもの) おりん2 (2012) 、逃亡者( のがれもの)、おりん 最終章 (2011) 、逃亡者( のがれもの) おりんスペシャル (2008) 、水戸黄門 ( 第31~38 部)(2002~2008)

プロデューサー/清水正子

脚本/青木万央
2003年函館港イルミナシオン映画祭・シナリオ大賞長編部門 準グランプリ。映画、テレビ、舞台の脚本など幅広く活躍中。代表作はテレビ東京・ガールズ× 戦士シリーズ、『リズスタ -Top of Artists!-』、映画『豆腐小僧』など多数。

撮影/山本辰也

録音・音楽/萩原一輔 森下怜二郎

編集/長尾泰治

監督補/喜田川隆義

照明/土居欣也

衣装/冨本康成 

助監督/南本真希

制作/進藤盛裕

メイク/福田有麻 朝三千代 水永琴寧 孝橋杏瞳 萩原ゆう菜 信吉葵衣 岩本彩 

撮影スタッフ/山口哲史 藤田祐司 中尾将哉 橋本希 松田渡 川戸貴宏 中西功 藤井咲耶

車輛/松岡伸彦 蔵立正朗 西田昭一 林良憲 今井清和 宮武英雄 磯部淳一 清水京介 岡村匡晃

協力スタッフ/株式会社tuc 塩谷圭吾 駒井愛美 西田宣善 衣笠竜屯 三田陽一 宮一敬 野村嘉信 永田ちひろ

メイキング映像制作/橋川幹

スペシャルサンクス/西村学 

監督・原案 片岡れいこ
映画監督、クリエイター。京都市立芸術大学美術学部卒業。グラフィックデザイナーとして京都で8年間の勤務を経て独立。著書に『京都レトロモダン建物めぐり』『京都パンで巡るおいしい古民家』他。近年、自身の目標であった映画製作にたどり着き、2020年『人形の家』、2022年『ネペンテスの森』劇場公開。短編コメディ『もてもてピエロ』夕張映画祭(鉄ドン)、イタリアnightofcomedy shorts セミファイナリスト。2023年『華の季節』劇場公開、とくしま4K・VR徳島映画祭」ノミネート。

*メッセージ

 この映画は、昔から映画化したかった前3作が完成した時、ご縁ができた大好きな人や町が、幸せになる物語を作りたい、という思いから膨らんだ。自分一人ではなし得なかったことを、多くの方々の力で完成することができ、完成してもなお、協力・応援してくださる組織や団体が増えることに喜びを隠せない。

 そんな人達の力と思いが詰まったこの映画が、どこかの町の誰かに届き、わが町で起きているような親しみを覚えてくださったり、バスや運転士に少しでも興味を持ってくださったり、それぞれのフィルターを通して何かを感じてくださることができれば…。そんな日が来ることを心から願う。感謝を込めて。